建築に携わる者が、建築を見る(だけの)旅をするなんて、やっぱりどこか馬鹿げてる。
建築に携わる者が、建築を見る(だけの)旅をするなんて、やっぱりどこか馬鹿げてる。みんなコルビュジエや安藤忠雄たちの「わたくし旅で建築を見て、スケッチしまくって学びましたけど、何か?」から続いている幻想なんじゃないか?
今の時代、建築に携わる者がコミットできる解決すべき問題は、世界に山ほどある。建築が社会にどう貢献するかということの、見たことのない事例も、世界に山ほどある。今こうしていても、どこかで新しいことが起きている。大小に関わらず、旅はそういうことを知れる大きなチャンスだ。
だからこそ、建築に携わる者であれば、社会を文化を、その多様性を見る旅をすべきだ。世界を見る旅、その中、その一部に建築がある、まちがある。それくらいの塩梅におさめられない限り、いつまでたっても悪い意味での建築バカから脱せないんじゃないか。
そんなことを思いながら、mosakiは、ここ五年ほど、タイ、シンガポール、マレーシア、オランダ、ドイツ、南アフリカ、アラブ首長国連邦と巡ってきました。で、今回到着したのは、アメリカはポートランド。いつもの旅と同じく、ほとんど何も不勉強のままこの地に降り立ったわけですが、だからこそ見えてくるものを思いっきり体感してきます!
大西正紀(おおにし・まさき)