mosaki | TOKYOTOKYOTOKYO!!!

大好きな東京から発信する建築系クリエイティブユニットmosaki(田中元子+大西正紀)のブログ

田舎とか都会とか、地方都市とか住宅地とか郊外とか、観光地とかロードサイドとか集落とか、既存の、どの呼び名にも当てはまらない、かわいそうな場所があるんです!

田舎とか都会とか、地方都市とか住宅地とか郊外とか、観光地とかロードサイドとか集落とか、場所にはいろんな呼び名があるけれど、それら既存の、どの呼び名にも当てはまらない、かわいそうな場所があるんです!

 

ていうか!ぶっちゃけそーいう場所が一番多いのに!そーいう場所が一番こじれた問題を抱えているのに!いろんな意味で、取り残されとる!!えええい、けしからん!!

 

 

という話をTwitterで書いたら、石川初さんが「ルーラル」という呼び名をくれました。調べてみると「田舎」というシンプルな意味。その割に、日本で流行るどころか、ほとんど使われている場面に出くわすこともないというあたり、空白地帯にふさわしい、的確な呼び名だと思います。石川さん、さすがすぎます。

 

「ルーラル」

そこには何もないんです…!

 

私の出身地である、水海道市(現在は合併して常総市水海道)も、そのひとつです。かつては水海道より田舎だった守谷は、 TXが開通して以来、今や多くの人が知っている新興住宅地で、東京に勤めるひとが、たくさん暮らしているようです。ちょっと前までは、考えられなかったんだぜ?

 

いや、ちょっと前って、いつだ?5年?10年?…水海道ってこんな調子で、地元の爺婆たちが「ウチは隣町より栄えている」と呑気に構えて、かつての栄華に未だ浸っているような街だった。もとい、街と呼べるようなスポットすら、もう見当たらない。そこは、どうしようもなく「ルーラル」なのだ。

 

都会に憧れるほどマセた子どもではなかったけれど、理由あって都内で暮らし始めて、都会と田舎の違いって、ステキとダサいの違いって、どのへんにツボがあるんだろうって、なんとなく考え始めた。

 

で、当たり前なんだけど、古いものが、認知されながら存在し続けているかどうか、っていうところは、大きいと思う。個人的に、東京に来てみて、ヌオオオオこれが都会か!!!って思った景色は、同潤会青山のある表参道であり、和光や歌舞伎座のある、銀座だった。

 

地元、水海道の好きな景色も、まさにそれだった。朽ちたまま放っておかれた赤煉瓦の建物、商店街に取り残された看板建築、河原に建っていた、ひとけのない謎の洋館。なのに「何もない」と感じていたのは、地元のおとなたちがそれらに対して、ほとんど無関心だったからだ。

 

ステキとダサいの違いは「そこにあるもの」に価値や関心が持たれているか、だと思う。景観にしろ食べ物にしろ、誰かが見たり食べたりして、指摘や評価をすることで、そこにどう存在しているかが、認知されるのだ。日本全国の「ルーラル」に、まず最初に足りないものは、多角的に観察され、語られることだと思う。

 

田中元子(たなか・もとこ)