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大好きな東京から発信する建築系クリエイティブユニットmosaki(田中元子+大西正紀)のブログ

トラフ建築設計事務所個展「ここをホッチキスでとめてください。」オープニングに行ってきました。

トラフ建築設計事務所個展「ここをホッチキスでとめてください。」オープニングに行ってきました。

鈴野さん曰く「ここはトラフの頭の中」!その通り、会場に入った途端、楽しいトラフワールドが始まります。んー、こんな簡単に、楽しいって言っていいのかな。ユニーク?違うな。かわいい?違うな。

私は『トラフの小さな都市計画』(平凡社という絵本で、解説文を執筆させて頂いているのですが、実はそれを書くまで、トラフについて言語化することに、とっても抵抗を感じていたのです。や、正確に言うと、避けていたというか、逃げていたというか。おもしろーい、きれーい、かわいーい、それで済ませちゃおう、みたいな。

違う、違うの。そんなんじゃないの。

 

トラフのしてることって、もっともっと、見る者、触れる者自身に問いかけて、こころにあるスイッチを、パチンと入れてくれる感じなの。


だから彼らの作品の前では自然と、普段目につかないものが見えたり、普段しないことをしたり。そうやって、その直前までとはちょっと、でも確かに、違う世界へと誘われる。現実は、何も変わっていないはずなのに!そう、自分自身がちょっと、ちょっとだけ、でも確かに、変わっちゃうんです。


この展覧会では「ここを叩いてください」「ここを覗いてください」…まるで注文の多い料理店のように、どんどん指示が出てきます。うっかり、やっちゃう。それでいいんです!どんどんうっかりして欲しい。トラフの誘惑に、どんどん乗っちゃって欲しい。トラフの作品は、まず触ってみないと!

私は展覧会場にいる間、ずっと触れたり試したりして、ずっと笑ってた。ジョークなんか書かれてないのに!自分の中の眠れるスイッチが、どんどん起こされていく、そんな感覚にワクワクして、ほんとハッピーで。これは実験なの?遊びなの?ううん、トラフなの!

「モノとしての強度」というよりも「モノと出会ったひとをいざなう強度」というか「モノと出会ったひとに発見させる強度」みたいなものが、とにかくすごい。建物の模型も写真も全然ない、設計事務所の展覧会。だけどね、触れて、笑って、驚いて、そうやっているうちに、ああなるほど、これは確かに建築だわ、他の何でもない、トラフの。って感心させられる。

ああ、ほんとによかった!だまされたと思って、行ってみて。心身ともに、かるーい気持ちで。そうじゃないときっと、大事なことが、見えなくなるから。や、そんな心配いらないか。だって一歩踏み入れた瞬間から、きっと夢中になっちゃうから!

会場はクリエイションギャラリーG8、会期は2月13日まで。

http://rcc.recruit.co.jp/g8/exhibition/g8_exh_201401/g8_exh_201401.htm

田中元子(たなか・もとこ)

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