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大好きな東京から発信する建築系クリエイティブユニットmosaki(田中元子+大西正紀)のブログ

さわひらき個展"UNDER THE BOX,BEYOND THE BOUNDS"のオープニングに行ってきました。

さわひらき個展"UNDER THE BOX,BEYOND THE BOUNDS"のオープニングに行ってきました。
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ひらきくんの作品って、これまでに資生堂ギャラリーや水戸芸で見てるけど、毎回、わかりづらいなあ、一体何だったんだろう、って思ってた。だけどね!今回の展覧会ではひとつ、発見があったの。それは「わかりづらい」「何だったんだろう」そのままで、いいんだってこと!

展覧会場をそぞろ歩いていると「言葉に出来ない」気持ちになる。唖然として言葉を失う、みたいな比喩じゃなくてね、ほんとに。


夢のようでもあり、妙に現実みたいでもあり、不快とも快ともつかなくて、怖いような、美しいような、

 

見たことないはずなんだけど、なぜか知っている感じがしたり、鑑賞している自分自身、今、リラックスしているかも知れない、とても緊張しているかも知れない…

ひらきくんの作品を見ていると、自分がいつの間にか、こうした既存の言葉と言葉の、狭間に漂っていることに気づく。感情も、感覚も、どんな言葉にも着地できなくなってしまう。どんどん宙ぶらりんになっていくの。

好きとか嫌いとか、オンとかオフとか、イエスとかノーとか。この世のほとんどの物や行いが記号化している現代において、どんな言葉にも着地できないだなんて、そんな体験、他にあるだろうか。

作品がそこにあることによって「真っ白」とか「何も無い」状態とかより、はるかに「意味」から遠のいていく。すごい、すごい。そういうことか。

作家挨拶で、ひらきくん自身が「スペースが先にありきで作品を作るのは初めて」と語っていたように、今回はサイトスペシフィックであるからこそ、頭だけでなく心身が、作品の世界に潜り込めた気がする。

「何も無い」状態以上に「意味」から解放されてしまうような体験は、実はすっごい細かなディテールまで詰められた、解像度の高い緻密な作品だからこそできることなんだと思う。遠目に見てよし、凝視してよし、作品世界にうずもれてしまうもよし。

他にない体験が味わえる、贅沢な空間です。会場は東京オペラシティアートギャラリー、会期は明日から3月30日まで。ぜひ足を運んでみて!

http://www.art-it.asia/u/admin_ed_news/3qbWUrOwl8RP2EcBj6Hz


田中元子(たなか・もとこ)

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